生物多様性

たまには真面目なことでも。


 2010年は「国際生物多様性年」とする事が国連で決議され、生物多様性に関する議論が盛り上がってます。
少なくても自然系や科学系の雑誌で生物多様性に関する特集や記事を目にする事が多くなりました。
生物多様性保全は、温暖化対策とともに、緊急の地球環境問題です。
9月には、ニューヨークで各国元首が会議で生物多様性を取り上げる予定のようで、10月には名古屋で生物多様性条約第10回締約国会議(cop10)が行われます。この前、コペンハーゲンcop15が行われたのでは?と思う人もいるかもしれませんが、あれは気候変動枠組条約に関する締約国会議です。copとは締約国会議の略(Conference of Parties)であり、さまざまな締約国会議に使われる用語ですが、ニュースなどではどれもコップ、コップと言うので分かりにくくなってます。

 2009年11月、国際自然保護連合(IUCN)がレッドリスト(絶滅のおそれがある動植物のリスト)に発表したデータによると、ほ乳類の約1/5、両生類の約1/3、既知の裸子植物の約1/3が絶滅の危機に瀕しているようです。人間がまだ知らない微生物や小動物なども合わせれば、さらにこの割合は増して行くのかもしれません。すでに絶滅した種も少なくはないと思います。

 生物多様性を守る上で、最大の脅威は生息地の急激な消失です。現在、世界的に見て生息地域として保護されている地域は、全世界の陸地面積の14%、領海の6%とごくわずかです。
 この生息地を広めて行く(しかも連続性を備えて)ことが重要ですが、容易なことではないように思います。環境問題として取り上げられることの多い地球温暖化は、非常に重要な問題であるものの、長期的な変動であるため予想が難しく、不確かな部分もあります。しかしながら、生物多様性の問題はすでに緊急の問題となっています(もう遅いとも考えられますが)。温暖化対策ばかりに世の中の目が行っていますが、差しせまった環境問題が生物多様性の保存です。cop10において効果のある対策案が採択されることを期待します。

 今回はNatureの記事から引用して記事を書かせてもらいましたが、そこにチャールズ・ダーウィンの「種の起源」の最終段落の冒頭の部分が記載されていました。このような自然を守り、将来にも残して行きたいと思います。じいさんになっても、豊かな自然の中でアウトドアを楽しめる人生を過ごしたいですから。

「多くの種類の数多くの植物が地表を覆い、鳥が灌木に止まってさえずり、さまざまな昆虫が飛び回り、湿った地中をミミズがはいまわる。このように種のもつれ合った土手を思い浮かべるのは面白い」